「身体を絞りたいから、ご飯を減らしています。」
「糖質は太るって聞いたので、できるだけ控えています。」
そんな選手もいると思います。
確かに、食べすぎれば体重は増えます。
でも、アスリートにとって炭水化物は、ただ太る原因になるものではありません。
練習や試合で身体を動かすための大切なエネルギー源です。
走る。
投げる。
打つ。
跳ぶ。
素早く動く。
こうした高い強度の運動では、糖質から得られるエネルギーが重要になります。
身体を絞りたいから、とりあえず炭水化物を減らすではなく、競技や練習量に合わせて必要な量を摂るという考え方が大切です。
今回は、アスリートに炭水化物が必要な理由から、必要量、摂るタイミング、学生アスリートでよくある食事の問題まで整理します。
そもそも炭水化物と糖質は同じ?
少しだけ整理しておきます。
炭水化物は、糖質+食物繊維です。
このうち、主に身体のエネルギーとして使われるのが糖質です。
ご飯。パン。麺。いも類。果物。
こうした食品に糖質が含まれています。
栄養では、炭水化物という言葉も糖質という言葉も出てきますが、この記事では身体を動かすエネルギーになる部分=糖質として考えていきます。
なぜアスリートに炭水化物が必要なのか
炭水化物から摂った糖質は、消化・吸収されたあと、血液中のブドウ糖として使われます。
さらに、余った分の一部は筋肉や肝臓にグリコーゲンとして蓄えられます。
このグリコーゲンは、運動するときの重要なエネルギー源です。
ダッシュ。ジャンプ。筋力トレーニング。球技。スプリントを繰り返すスポーツ。
など、強度の高い運動では糖質の重要性が高くなります。
炭水化物は競技で動くための燃料です。
炭水化物を減らしすぎるとどうなる?
必要な糖質が不足すると、練習で使えるエネルギーも不足しやすくなります。
練習後半に動けなくなる。
集中力が落ちる。
強度を維持できない。
トレーニングの質が下がる。
回復が遅れる。
といったことにつながります。
例えば、
「最近トレーニングしているのに重量が伸びない。」
「練習後半になると一気に動けなくなる。」
というとき、トレーニング内容だけではなく、そもそもエネルギーを十分に摂れているかを確認する必要があります。
頑張るための燃料が入っていないのに、もっと頑張れと言っても難しいですよね。
身体も同じです。
アスリートは炭水化物をどれくらい摂ればいい?
必要な量は、運動量によって大きく変わります。
スポーツ栄養では、1日の炭水化物量は運動量に応じて、体重1kgあたり数gから10g前後まで幅広く設定されます。
例えば目安として、
・軽い運動の日なら3〜5g/kg/日程度
・中程度のトレーニングなら5〜7g/kg/日程度
・持久系など運動量がかなり多い場合は6〜10g/kg/日程度
が使われることがあります。
体重60kgで5g/kgなら、1日300gの炭水化物です。
ただし、競技・練習時間・運動強度・体格・増量中か減量中か。
こうした条件によって変わります。
だから数字だけ覚えるより、体や練習量に合わせて食事量を変えるという考え方を持っておくことが大切です。
ご飯をたくさん食べればいいでもない
ここは学生アスリートで特に気をつけたいところです。
身体を大きくするために、
「とにかくご飯を食べろ!」
と言われることがあります。
もちろん、ご飯はアスリートにとってとても使いやすいエネルギー源です。
身体を大きくしたい選手が、十分な炭水化物を摂ることも大切です。
でも、ご飯だけを大量に食べればいいわけではありません。
身体をつくるには、タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラルなども必要です。
基本は、主食+主菜+副菜です。
ご飯をしっかり食べる。
肉や魚、卵なども食べる。
野菜や果物なども摂る。
そのうえで、練習量に合わせて主食や補食を増やします。
朝食で炭水化物を抜かない
朝食を食べない。
あるいは、身体を絞りたいから朝はプロテインだけという選手もいます。
でも、朝から学校や仕事へ行き、その後に練習するのであれば、朝食からエネルギーを入れておきたいところです。
ご飯+卵+味噌汁。
パン+卵+ヨーグルト+果物。
など。
難しいものでなくて大丈夫です。
大切なのは、タンパク質だけではなく、エネルギー源になる炭水化物も一緒に摂ることです。
練習前の炭水化物はかなり大切
学生アスリートで特に多いのが、
昼食を12時頃に食べる⇒授業⇒16時や17時から部活⇒2〜3時間練習⇒夕食は20時以降
というパターンです。
昼食から夕食まで8時間近く空くこともあります。
その状態で長時間の練習を行えば、練習後半にエネルギーが足りなくなるのは不思議ではありません。
そこで大切なのが補食です。
おにぎり・バナナ・カステラ・エネルギーゼリーなど。
練習までの時間や、お腹の状態に合わせて選びます。
練習直前に重たい食事をする必要はありません。
でも、何も食べずに長時間練習するという状態は避けたいところです。
長時間の練習や試合では、途中で摂取することも考える
練習時間が長い場合は、練習前だけでは足りないこともあります。
特に、
長時間動き続ける競技。
試合が何試合も続く場合。
暑い環境での運動。
運動量が多い練習。
こうした場合は、途中で糖質を補給することも考えます。
スポーツドリンク。
エネルギーゼリー。
バナナ。
消化しやすい補食。
などです。
大切なのは、練習が終わるまで我慢することではありません。
必要なエネルギーを途中で補い、パフォーマンスを維持することもスポーツ栄養の一つです。
練習後はタンパク質だけで終わらない
トレーニング後というと、
「プロテイン!」
となりやすいですよね。
もちろん、タンパク質は必要です。
でも、練習では筋肉だけでなく、筋肉に蓄えていたグリコーゲンも使っています。
だから練習後は、使ったエネルギーを戻すための炭水化物と、身体の修復に必要なタンパク質を一緒に摂る。
という考え方が大切です。
おにぎり+プロテイン。
バナナ+ギリシャヨーグルト。
プロテイン+デキストリン。
など。
そして、その後しっかり食事を摂る。
プロテインだけ飲んで、回復は完璧ではありません。
※タンパク質の必要量や摂り方については、こちらの記事で詳しくまとめています。
減量中なら炭水化物を減らした方がいい?
減量では摂取エネルギーを調整する必要があります。
その中で炭水化物量を調整することもあります。
ただし、減量=糖質をゼロにするではありません。
特に競技者の場合、炭水化物を極端に減らして練習の質まで落ちてしまえば、本末転倒です。
身体を軽くしたけれど、走れない、力が出ない、集中できない、回復しない。
となってしまえば、競技のための減量とは言いにくくなります。
だから減量中も、必要な練習をできるだけ維持できる範囲でエネルギーを確保することが大切です。
糖質を摂ると太る?
糖質を食べたから、それだけで太るわけではありません。
体脂肪が増えるかどうかは、基本的には長期的なエネルギーバランスが大きく関わります。
必要以上に食べ続ければ、糖質でも脂質でも体重は増えていきます。
逆に、毎日激しくトレーニングしている選手が、糖質は太るからという理由だけで主食を大きく減らすのはおすすめしません。
重要なのは、糖質を食べるか、食べないかではなく、必要な量を摂ることです。
学生アスリートでよくある食事
例えば、
朝:パン1枚
昼:弁当
放課後:何も食べない
部活:3時間
終了後:プロテイン
帰宅後:夕食
という選手がいたとします。
本人は、プロテインも飲んでいるし、食事も食べていると思っているかもしれません。
でも、よく見ると、練習前から練習中のエネルギーが不足しています。
この状態なら、もっとプロテインを飲もうではありません。
まずは放課後におにぎりを食べる。
練習が長ければ途中の補給も考える。
練習後はタンパク質と炭水化物を補給する。
こうしたことの方が優先順位は高いです。
炭水化物も1日の中でどう使うかを考える
炭水化物も、1日○g食べれば終わりではありません。
・いつ練習するのか
・どれくらい練習するのか
・その前に何を食べているのか
・練習後すぐに食事ができるのか
によって摂り方は変わります。
必要なときに、必要なエネルギーがある状態をつくるこれが大切です。
Athlete Note
今回覚えてほしいのは、
- 炭水化物はアスリートの重要なエネルギー源
- 糖質は筋肉や肝臓にグリコーゲンとして蓄えられる
- 練習量が多いほど必要量も増える
- 糖質を極端に減らすと練習の質が落ちることがある
- ご飯だけ大量に食べればいいわけではない
- 朝食から炭水化物を摂る
- 昼食から練習まで時間が空くなら補食を入れる
- 長時間の練習や試合では途中の補給も考える
- 練習後は炭水化物とタンパク質を一緒に摂る
- 減量中でも必要なエネルギーまで削らない
ということです。
まとめ|炭水化物は身体を動かす燃料
炭水化物は、アスリートにとって競技を行うための大切な燃料です。
自分の競技や練習量に合わせて、必要な量を摂るという考え方を持っておきたいところです。
朝食を食べる。
昼食を食べる。
練習まで時間が空くなら補食を入れる。
練習が長ければ途中でも補給する。
練習後は、使ったエネルギーを戻すための炭水化物と、身体の修復に必要なタンパク質を一緒に摂る。
そして夕食を食べる。
特別な食品よりも、まず必要なエネルギーを毎日の食事から確保すること。
これが土台です。
タンパク質も大切。
炭水化物も大切。
脂質も大切。
どれか一つを特別扱いするのではなく、競技で動ける身体をつくるために、必要な栄養をしっかり摂る。
食べることもトレーニングです。
毎日の食事から、競技で力を発揮できる身体をつくっていきましょう。
Acegym Athleteの体験トレーニングでは、身体づくりだけでなく、競技や練習量に合わせた食事の考え方についてもご相談いただけます。
「練習中にすぐ疲れる。」
「身体を大きくしたいけど、何を食べればいいかわからない。」
「今の食事量で足りているのか知りたい。」
そんな方もお気軽にご相談ください。
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