「身体を大きくしたいなら、とにかく食べろ!」
「ご飯を何杯も食べれば強くなれる!」
そんなアドバイスを聞いたことはありませんか?
練習量の多いアスリートにとって、しっかり食べることはとても大切です。
身体を動かすエネルギーが足りなければ、練習の質は上がりません。疲労からの回復も遅れ、本来の力を発揮しにくくなります。
だからといって、
体重が増えれば、何をどれだけ食べてもいい
というわけではありません。
アスリートの食事の目的は、ただ身体を大きくすることではなく、
・練習で動けること
・疲労から回復すること
・ケガをせず競技を続けること
・試合で力を発揮すること
です。
今回は、食べる量が足りない問題と、ただ食べて体重を増やす問題の両方から、アスリートの食事について考えます。
食事量が足りなければ、パフォーマンスは下がる
まず大前提として、アスリートには十分なエネルギーが必要です。
身体は、食事から得たエネルギーを使って、
・練習する
・身体を成長させる
・筋肉や組織を修復する
・体温や免疫機能を保つ
・学校生活や日常生活を送る
といった働きを行っています。
食事量が少なすぎると、身体は限られたエネルギーをやりくりしなければなりません。
その結果、
・練習後半に動けない
・集中力が続かない
・疲れが取れにくい
・筋力が伸びない
・ケガや体調不良が増える
といった変化が起こる可能性があります。
特に学生アスリートは、競技だけでなく身体そのものが成長している途中です。
「太りたくないから。」
「動きが重くなるのが嫌だから。」
と食事を減らしすぎるのはおすすめできません。
必要なエネルギーを食事から確保することは、パフォーマンスを上げるためだけでなく、パフォーマンスを下げないための土台です。
では、とにかく体重を増やせばいいのか?
食事量が大切だと聞くと、
「それなら体重が増えるまで、とにかく食べればいい。」
と思うかもしれません。
しかし、体重が増えたからといって、必ず競技力が上がるわけではありません。
必要以上に体脂肪が増えると、競技によっては、
- 身体が重く感じる
- スピードが落ちる
- 持久力が低下する
- 関節への負担が増える
- 動きの感覚が変わる
ことがあります。
もちろん、ラグビーやアメリカンフットボールなど、体重や身体の大きさが武器になる競技もあります。
それでも大切なのは、単に数字を増やすことではなく、
増えた体重を競技で活かせているか
という点です。
食べる量を増やす目的は、体重計の数字を大きくすることではありません。
練習に耐え、回復し、試合で力を発揮できる身体をつくることです。
「とにかく米を食べろ!」だけでは足りない
身体を大きくしたい学生に、
「もっと米を食べろ!」
と指導することがあります。
これは完全に間違いではありません。
お米に含まれる炭水化物は、練習や試合で身体を動かすための重要なエネルギー源です。
高強度運動や長時間の運動では、十分な炭水化物を確保することがパフォーマンス維持に関わります。
問題は、お米だけを大量に増やして食事を終わらせることです。
例えば、どんぶり飯を何杯も食べても、
・肉や魚、卵などのタンパク質
・野菜や果物のビタミン・ミネラル
・魚やナッツなどに含まれる脂質
・野菜や改装に含まれる食物繊維
が不足していれば、回復や身体づくりに必要な材料が足りません。
お米は大切です。
しかし、お米は身体を動かす燃料の一つであって、身体づくりに必要なものをすべて含む食品ではありません。
例えるなら、車にガソリンだけを大量に入れても、オイルや部品の整備ができていなければ、良い状態では走れないのと同じです。
主食・主菜・副菜をまず揃える
アスリートの食事で、最初に意識したいのは難しい栄養計算ではありません。
まずは毎食、
・主食
・主菜
・副菜
を揃えることです。
主食
ご飯、パン、麺、芋類など。
練習や試合で身体を動かすためのエネルギー源になります。
主菜
肉、魚、卵、大豆製品など。
筋肉だけでなく、皮膚や血液、さまざまな組織をつくる材料になります。
副菜
野菜、きのこ、海藻など。
身体の働きを支えるビタミン、ミネラル、食物繊維を補います。
余裕があれば、果物や乳製品も加えます。
ご飯を増やす前に、まずこの形ができているか確認してみてください。
食べても身体が大きくならない選手は、補食を使う
一度の食事で大量に食べようとすると、苦しくなって続かない選手もいます。
無理にどんぶり飯を何杯も食べるより、食べる回数を増やした方が合うこともあります。
そこで役立つのが補食です。
補食はお菓子ではなく、3食で足りないエネルギーや栄養を補うための小さな食事です。
例えば、
- おにぎり+ゆで卵
- バナナ+ヨーグルト
- パン+牛乳
- 焼き芋+プロテイン
- おにぎり+ツナ
- 果物+チーズ
などがあります。
学校から練習へ向かう前、練習直後、夕食まで時間が空く場面などに取り入れると、無理なく食事量を増やしやすくなります。
お菓子やジャンクフードは全部禁止?
お菓子、ハンバーガー、ラーメン、揚げ物を食べたら、アスリート失格というわけではありません。
食事は毎日続くものなので、好きなものを楽しむことも大切です。
また、食が細くて必要なエネルギーを摂れない選手では、食べやすくカロリーの高い食品を利用する場合もあります。
ただし、それらが食事の中心になると、
- タンパク質
- ビタミン
- ミネラル
- 食物繊維
が不足しやすくなります。
大切なのは、完璧に禁止することではなく、普段の食事を土台にすることです。
主食、主菜、副菜を食べたうえで、好きなものも取り入れる。
このくらいの考え方が、長く続けやすいと思います。
食事は、量と量のどちらも必要
アスリートの食事では、
「質の良い食事だけど、量が少ない」
状態も、
「カロリーは多いけど、食事の内容が偏っている」
状態も、どちらも十分ではありません。
必要なのは、
練習量に合った食事量
+
回復や成長に必要な食事内容
です。
食事の質にこだわりすぎて、必要なカロリーを摂れなければパフォーマンスは下がります。
反対に、体重を増やすために何でも大量に食べ、動きが重くなっても意味がありません。
量と質のバランスは、競技、年齢、身体の大きさ、練習量によって変わります。
全員にご飯を何杯食べると同じ量を当てはめるのではなく、その選手の状態を見ながら調整することが大切です。
体重だけでなく、動きと体調を見る
食事が合っているかを判断するとき、体重だけを見るのはおすすめしません。
次のような変化も確認してください。
- 練習後半まで動けているか
- 筋力やスピードが落ちていないか
- 疲労が翌日まで残りすぎていないか
- 睡眠や食欲は安定しているか
- 便通や胃腸の調子に問題がないか
- ケガや体調不良が増えていないか
- 体重が急激に増減していないか
体重が増えていても、練習で動けなくなっていれば、良い変化とは限りません。
反対に体重が変わらず、疲労が強くなっているなら、食事量が不足している可能性があります。
食事の目的は、体重を変えることではなく、良い状態で競技を行うこと。
この視点を忘れないようにしましょう。
学生アスリートの保護者ができること
身体を大きくしてほしいと思うほど、食事量が気になると思います。
ただ、
「残さず全部食べなさい。」
「もっとご飯を食べなさい。」
と量だけを求めると、食事そのものが苦痛になることがあります。
まず確認したいのは、
- 3食を食べられているか
- 練習前後に補食を摂れているか
- 主食だけに偏っていないか
- 疲れすぎて食欲が落ちていないか
- 睡眠時間を確保できているか
という部分です。
食べられない選手には、1回の量を無理に増やすより、食べやすいものを小分けにする方が合う場合もあります。
食べることもトレーニングですが、苦しくなるまで詰め込むことがトレーニングではありません。
Athlete Note
今回のポイント
- アスリートには十分なエネルギーが必要
- 食事量が足りないと、回復や競技パフォーマンスが低下しやすい
- 体重が増えれば、必ず競技力が上がるわけではない
- お米は大切だが、お米だけでは必要な栄養を補えない
- 主食・主菜・副菜を揃える
- 一度に食べられない選手は補食を使う
- 食事は量と質の両方を見る
- 体重だけでなく、練習中の動きや体調を確認する
まとめ
アスリートにとって、食べることはトレーニングの一部です。
食事量が足りなければ、練習で動けず、回復も進まず、本来の力を発揮できません。
だから、しっかり食べる必要があります。
しかし、
・身体を大きくするために、とにかくお米だけを食べる
・体重を増やすためなら、何を食べてもいい
という考え方もおすすめできません。
大切なのは、必要なエネルギーを確保しながら、身体づくりと回復に必要な栄養も摂ること。
まずは3食で主食・主菜・副菜を揃える。
足りなければ補食を加える。
そして、体重だけでなく、練習中の動きや疲労、体調を確認しながら調整していきましょう。
食事は、身体を大きくするためだけのものではありません。
毎日のパフォーマンスを支え、本来の力を下げないための土台です。
Acegymから
Acegymでは、体重を増やすことだけを目的に食事を考えることはありません。
選手の競技、練習量、身体の状態、生活リズムを確認しながら、パフォーマンスを支える食事や補食について一緒に考えます。
「たくさん食べているのに、練習で動けない…。」
「ご飯を増やしているけれど、これでいいのか分からない…。」
「身体を大きくしたいけれど、動きは重くしたくない…。」
「子どもに何をどれくらい食べさせればいいか分からない…。」
そんな選手や保護者の方は、福岡県久留米市のAcegymへご相談ください。
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