「身体を大きくしたいから、プロテインを飲もう」
「疲れが取れないから、サプリメントを増やそう」
「試合で動けるように、何か特別なものを食べよう」
競技力を高めたいと思うほど、栄養も足し算で考えやすくなります。
もちろん、必要なものを食べることは大切です。
しかし、その前に一度確認してほしいことがあります。
それは、毎日の食事でコンディションを下げる習慣が続いていないかということです。
どれだけプロテインやサプリメントを追加しても、朝食を抜いていたり、甘い飲み物だけで空腹をごまかしていたりすれば、身体づくりはうまく進みません。
栄養は、特別なものを足す前に、まず毎日の習慣を整えることから始まります。
引き算は、食べる量を減らすことではない
最初に注意したいのは、ここでいう引き算は、
- ご飯を減らす
- 脂質をすべて避ける
- 小麦を完全に禁止する
- 好きなものを一切食べない
という意味ではありません。
アスリートにとって、食事量を減らしすぎることは大きな問題です。
練習に必要なエネルギーが足りなければ、集中力や回復力が落ち、筋肉もつきにくくなります。
特に炭水化物は、身体を動かすための大切なエネルギー源です。
長時間の運動では、運動中の炭水化物補給がパフォーマンスや回復を支える場合もあります。
ここで減らしたいのは食事そのものではなく、必要な食事を邪魔している習慣です。
見直したい習慣① 甘い飲み物を何となく飲む
部活が終わったあとや、勉強中、仕事の合間などに、
- 甘い缶コーヒー
- ジュース
- 炭酸飲料
- エナジードリンク
を何となく飲んでいないでしょうか。
糖質そのものが悪いわけではありません。
むしろ、アスリートにとって糖質は重要なエネルギー源です。
ただし、食事を食べずに甘い飲み物だけで空腹をごまかしたり、一日中少しずつ飲み続けたりすると、本来食べるべき食事が入らなくなることがあります。
まずは、喉が渇いたときの基本を、水やお茶にする。
ここから始めてみてください。
ただし、長時間の練習や大量に汗をかく場面では、スポーツドリンクが役立つこともあります。
スポーツドリンクとエナジードリンクは別物です。
特に学生アスリートが、眠気覚ましとしてエナジードリンクを常用することはおすすめできません。
若年者やカフェインに慣れていない人は、影響を受けやすいとされています。
見直したい習慣② お菓子や揚げ物だけで食事を終わらせる
コンビニの揚げ物やお菓子を、一度食べたから身体が悪くなるわけではありません。
問題は、それだけで食事を終わらせる日が続くことです。
例えば練習後に、
- スナック菓子だけ
- 菓子パンだけ
- カップ麺だけ
- 唐揚げだけ
で終わってしまうと、エネルギーは摂れても、身体の回復に必要な栄養を十分に補えない可能性があります。
だからといって、全部禁止する必要はありません。
カップ麺を食べるなら、おにぎりや卵、ヨーグルトを加える。
菓子パンを食べるなら、牛乳やゆで卵、バナナを一緒に摂る。
揚げ物を食べるなら、それだけで終わらず、ご飯や汁物もつける。
100点の食事を目指すのではなく、足りないものを一つ補うだけでも違います。
アスリート向けの栄養では、特定の食品を怖がるより、食事全体のエネルギー量や栄養バランスを見ることが大切です。
見直したい習慣③ 疲れをカフェインでごまかす
練習、学校、仕事が続けば、疲れる日もあります。
そんなときに、
「エナジードリンクを飲めば動ける」
「コーヒーを飲めば何とかなる」
と、カフェインに頼りたくなることもあるでしょう。
カフェインは、使い方によっては集中力や競技パフォーマンスを助ける可能性があります。
しかし、睡眠不足やエネルギー不足そのものを解決してくれるわけではありません。
身体が休みたがっているのに、カフェインで無理に動き続ければ、回復する時間がさらに減ってしまいます。
特に学生アスリートは、カフェインを増やす前に、次の順番を確認してください。
- 3食を食べているか
- 練習前後に補食を摂れているか
- 水分を十分に摂れているか
- 睡眠時間を確保できているか
そのうえで、本当に必要な場面だけ使う。
カフェインは、疲労を消すものではなく、一時的に感じにくくするものと考えた方がいいでしょう。
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小麦やグルテンは、完全に避けるべき?
小麦に含まれるグルテンについては、悪いものとして語られることもあります。
実際に、小麦を食べたあとに、
- お腹が張る
- 下痢や便秘になりやすい
- 胃腸の調子が悪くなる
- 身体が重く感じる
といった変化がある人は、一度量や頻度を見直してみてもいいと思います。
毎日の主食がパンや麺類に偏っている場合は、一部をご飯や芋類などに置き換えて、体調や便通に変化があるかを確認するのも一つの方法です。
一方で、セリアック病や小麦アレルギーなどがなく、便通や体調にも特に問題がない人まで、すべての小麦製品を完全に避ける必要はありません。
グルテンを控えることで調子が良くなる人はいます。
しかし、グルテンを避ければすべてのアスリートのパフォーマンスが上がる、というわけではありません。
セリアック病のないアスリートを対象にした研究でも、グルテンフリー食による競技パフォーマンスの明確な向上は確認されていません。
特にアスリートの場合、小麦を避けることにこだわりすぎて、
- パンや麺類を食べなくなる
- 食べられるものが減る
- 必要なカロリーや炭水化物が不足する
となってしまえば、元も子もありません。
小麦やグルテンは、誰にとっても完全な悪というわけではありません。
避けられる範囲で少し減らして体調を見る。問題がなければ、過剰に怖がらない。
このくらいの距離感が現実的です。
なお、小麦を食べるたびに強い腹痛や下痢、体重減少などが起こる場合は、自己判断で除去を続ける前に医療機関へ相談してください。
セリアック病では、グルテンによって小腸に炎症や吸収不良が起こるため、医学的な診断と管理が必要です。
明日から試す、小さな引き算
食生活を一気に変える必要はありません。
全部やろうとすると、続かないからです。
まずは、次の中から一つだけ選んでみてください。
- 甘い飲み物を1本だけ水やお茶に替える
- 練習後のお菓子を、おにぎりやバナナに替える
- カップ麺だけで終わらず、卵やおにぎりを加える
- 疲れた日のエナジードリンクをやめて早く寝る
- パンや麺類が続いているなら、1食だけご飯に替える
- 朝食を抜いているなら、バナナやヨーグルトだけでも食べる
完璧な食事を1日だけ行うより、できることを毎日続ける方が身体は変わります。
Athlete Note
今回のポイント
- 引き算は、食事量や炭水化物を減らすことではない
- 見直すのは、必要な食事を邪魔している習慣
- 甘い飲み物やエナジードリンクを何となく続けない
- お菓子や揚げ物を禁止せず、それだけで食事を終わらせない
- 小麦は完全な悪ではなく、体調を見ながら量や頻度を考える
- サプリメントより先に、3食・補食・水分・睡眠を整える
- 一度に全部変えず、まず一つだけ取り組む
まとめ
アスリートの栄養で大切なのは、特別な食品やサプリメントを探すことだけではありません。
まずは、
- 食事を抜く
- 甘い飲み物で空腹をごまかす
- お菓子だけで食事を終わらせる
- カフェインで疲れを隠す
- 特定の食品を怖がりすぎて、必要な食事量まで減らす
といった習慣を見直すことです。
そのうえで、3食を食べ、必要に応じて補食を取り入れ、足りない部分をサプリメントで補います。
順番は、
引き算で邪魔を減らす
↓
毎日の食事を整える
↓
必要なものを足す
です。
栄養もトレーニングと同じで、いきなり100点を目指す必要はありません。
まずは明日、いつもの習慣を一つだけ変えてみてください。
その小さな一歩が、毎日の練習を支える身体づくりにつながります。
Acegymから
Acegymでは、トレーニングだけでなく、食事や補食、サプリメントについても、一人ひとりの競技や生活に合わせて一緒に考えます。
食事を管理して、すべてを禁止することが目的ではありません。
大切なのは、今の食生活を理解し、無理なく変えられる一歩を見つけること。
「何を食べればいいのか分からない。」
「練習量は多いのに身体が大きくならない。」
「疲れが取れず、毎日のパフォーマンスが安定しない。」
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食べることも、競技を続けるための大切なトレーニングです。
疲れが取れない、何から変えればいいかわからないという方は、ぜひ一度ご相談に来てください。
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