「筋肉をつけたいなら、タンパク質を摂った方がいい。」
これは多くの人が知っていると思います。
だから、とりあえずプロテインを飲んでいるという選手も多いかもしれません。
もちろん、タンパク質はアスリートにとって大切です。
でも、タンパク質について考えるときに大事なのは、プロテインを飲むかどうかではありません。
まず考えたいのは、1日に必要な量を、食事も含めてしっかり摂れているか?
そして、摂ったタンパク質を身体づくりに活かせる食事になっているか?ということ。
今回は、アスリートにタンパク質が必要な理由から、必要量、摂り方、プロテインの考え方まで整理します。
※炭水化物編はこちら
タンパク質は筋肉だけの栄養ではない
タンパク質というと、筋肉をつくる栄養素というイメージが強いと思います。
もちろん、それは間違いではありません。
筋肉の材料としてタンパク質は重要です。
ただ、タンパク質が使われているのは筋肉だけではありません。
身体の中では、筋肉・皮膚・髪・腱や靱帯などの組織・ホルモン・免疫に関わる物質など、さまざまなものにタンパク質が使われています。
つまりタンパク質は、身体をつくり、身体の機能を維持するための基本的な材料。
アスリートだけに必要な特別な栄養素ではありません。
そのうえで、日常的にトレーニングを行うアスリートでは、一般的な生活をしている人よりも多くのタンパク質が必要になります。
なぜアスリートはタンパク質が多く必要なのか
トレーニングをすると、身体にはさまざまな刺激が加わります。
筋力トレーニングでは筋肉へ大きな負荷がかかり、ランニングや競技練習でも、身体の組織は日々使われています。
身体は、その刺激から回復しながら適応していきます。
そこで材料になるのがタンパク質です。
特に筋力トレーニングでは、トレーニング刺激+タンパク質摂取の両方によって、筋肉を修復・合成する働きである筋タンパク質合成が高まりやすくなります。
つまり、トレーニングすることと、材料を入れること。
この両方が必要です。
どれだけ良いトレーニングをしていても、身体をつくるための材料が不足していれば、そのトレーニングを十分に活かしにくくなります。
アスリートは1日にどれくらいタンパク質が必要?
一つの目安として、体重1kgあたり1.4〜2.0g/日。
例えば、体重50kgなら、約70〜100g/日
体重60kgなら、約84〜120g/日
体重70kgなら、約98〜140g/日
くらいです。
ただし、これは全員が同じ量を摂ればいいという意味ではありません。
・競技
・トレーニング量
・身体を大きくしたいのか
・体重を維持したいのか
・減量中なのか
・年齢
・1日の総摂取エネルギー
こうした条件によって必要量は変わります。
まずは、自分が今どれくらい摂れているのかを知る。
そこから始めるといいと思います。
1日100gなら夜にまとめて食べればいい?
1日の総量は大切です。
でも、夕食で一気に大量に食べればいいというわけではありません。
タンパク質は、1日の中である程度分けて摂る方が身体づくりには使いやすくなります。
一つの目安として、1回20〜40g程度を、3〜4時間おきに分けて摂るという考え方があります。
難しく考えなくて大丈夫です。
例えば、朝食・昼食・補食・夕食それぞれに摂取するだけ。
アスリートでありがちなのが、朝はパンだけ、昼は学校給食や弁当、練習後にプロテイン、夜に肉を大量に食べるという形です。
これだと、夜には十分摂れていても、朝や昼のタンパク質が少ないことがあります。
夜だけ頑張るのではなく、朝からタンパク質を入れる。
これはかなり大切です。
朝食のタンパク質を見直してみる
選手の食事を見るときに、個人的に確認したいのが朝食です。
例えば、パンだけ。おにぎりだけ。シリアルだけ。
こうなると糖質は摂れていても、タンパク質が少なくなりやすいです。
そこに、卵やヨーグルト、納豆、魚、肉などを一品加えるだけでも変わります。
毎食完璧である必要はありません。
まずは、主食だけになっていないか?
ここを確認してみてください。
トレーニング後だけタンパク質を摂ればいい?
「トレーニング後30分以内にプロテインを飲まないと意味がない!」
と聞いたことがある人もいると思います。
運動前後にタンパク質を摂ることは身体づくりに役立ちます。
ただ、トレーニング直後の1回だけを完璧にすることより、1日全体で必要量を確保することの方が大切です。
運動後の筋タンパク質合成は、トレーニング直後だけで終わるものではありません。
だから、30分過ぎたからもう遅いと焦える必要はありません。
練習後に食事まで時間が空くなら、プロテインや補食を使う。
すぐに夕食を食べられるなら、食事から摂る。
生活に合わせて考えて大丈夫です。
プロテインは飲んだ方がいい?
結論から言えば、必須ではありません。
プロテインは筋肉を増やす特別な薬ではなく、タンパク質を手軽に摂れる食品です。
肉。魚。卵。乳製品。大豆製品。
こうした食事で必要量を摂れているなら、必ずプロテインを飲む必要はありません。
一方で、
・朝食でタンパク質が不足しやすい
・学校や仕事があって補食が難しい
・練習後すぐに食事を摂れない
・必要量を食事だけで摂ると量が多すぎる
そんなときには便利です。
つまり、食事かプロテインかではありません。
食事を基本にして、足りないところをプロテインで補う。
これくらいの考え方で十分です。
タンパク質を増やせば筋肉はどんどん増える?
タンパク質は身体づくりに必要です。
でも、タンパク質をたくさん摂れば、その分だけ筋肉が増えるわけではありません。
筋肉を増やすには、
・トレーニング刺激
・十分なエネルギー
・タンパク質
・睡眠
・回復
などが必要です。
特に学生アスリートでは、タンパク質より先に、そもそも食事量が足りていないこともあります。
タンパク質だけでは身体は大きくならない
身体を大きくしたい選手が、プロテインを増やそうと考えることがあります。
でも、体重を増やしたいのに1日の摂取エネルギーが不足していれば、身体は大きくなりにくいです。
そこで必要になるのが、ご飯やパン、麺などの糖質。脂質。そしてタンパク質です。
特に糖質は、練習や試合で身体を動かすための大切なエネルギー源です。
つまり、身体を大きくしたいから、肉とプロテインだけ増やすでは足りません。
ご飯も食べる。
おかずも食べる。
必要なら補食も入れる。
その中で必要なタンパク質を確保する。
この方が大切です。
タンパク質だけを増やすのではなく、身体づくり全体を見る。
アスリートの食事では、ここを忘れないようにしたいところです。
アスリートのタンパク質源は何がいい?
タンパク質を摂れる食品には、
・肉
・魚
・卵
・牛乳やヨーグルトなどの乳製品
・豆腐や納豆などの大豆製品。
などがあります。
一つの食品だけに偏る必要はありません。
肉にも良さがあります。
魚にも良さがあります。
卵や乳製品、大豆製品にも、それぞれ別の栄養素が含まれています。
だから、タンパク質○gだけを見るのではなく、いろいろな食品から摂る。
これも大切。
例えば、朝は卵とヨーグルト。昼は肉。補食にプロテイン。夜は魚。
毎食同じ鶏胸肉を食べ続ける必要はありません。
学生アスリートでよくある、タンパク質は摂っているつもり
学生選手では、
「プロテイン飲んでます!」
と言われることがあります。
でも食事を聞いてみると、
朝食は少ない。
昼から練習まで何も食べない。
練習後にプロテインだけ。
夕食はたくさん食べる。
ということがあります。
これでは、プロテインは飲んでいるけれど、アスリートとして必要な栄養が十分とは言えません。
大切なのは、プロテインを飲んでいるかではなく、1日を通して必要なエネルギーと栄養を摂れているかです。
まずは3食。その次に補食。そしてプロテイン
アスリートの栄養を考えるときは、順番が大切です。
まず3食を食べる。
その3食で、主食+主菜+副菜を意識する。
それでも練習量が多くて足りないなら、補食を入れる。
その中でタンパク質が不足するなら、プロテインを使う。
最初からサプリメントを中心に考える必要はありません。
食事が土台です。
プロテインは、その土台を補うための便利な選択肢です。
Q&A
アスリートは1日にどれくらいタンパク質が必要ですか?
一つの目安として、体重1kgあたり1.4〜2.0g/日です。競技、練習量、身体を大きくしたいのか、減量中なのかなどによって必要量は変わります。
タンパク質は1回にどれくらい摂ればいいですか?
1回20〜40g程度を目安に、朝食・昼食・補食・夕食などに分けて摂ると考えやすいです。1日の総量を確保することも重要です。
トレーニング後30分以内にプロテインを飲まないと意味がないですか?
30分を過ぎたら意味がなくなるわけではありません。トレーニング後だけにこだわらず、1日を通して必要量を確保することが大切です。
プロテインは必ず飲んだ方がいいですか?
必須ではありません。食事から必要なタンパク質を摂れていれば問題ありません。食事まで時間が空く場合や、食事だけでは不足する場合に便利です。
Athlete Note
今回覚えてほしいのは、
- タンパク質は筋肉だけではなく、身体をつくる基本的な材料
- アスリートでは一般的な生活をする人より多く必要になる
- 目安は1日体重1kgあたり1.4〜2.0g程度
- 1回に大量ではなく、1日の中で分けて摂る
- トレーニング後だけではなく、1日全体を見る
- 特に朝食のタンパク質不足に注意する
- プロテインは必須ではなく、食事を補うためのもの
- タンパク質だけでは身体は大きくならない
- 十分なエネルギーと糖質も必要
ということです。
まとめ|タンパク質はたくさんより毎日必要量を摂る
タンパク質は、アスリートにとって大切な栄養素です。
でも、筋肉をつけたいから、とにかくプロテインをたくさん飲むではありません。
まずは、自分に必要な量を知る。
3食でしっかり食べる。
1日の中で分けてタンパク質を摂る。
足りないところを補食やプロテインで補う。
そして、糖質や脂質も含めて必要なエネルギーを確保する。
タンパク質だけを増やすのではなく、身体づくり全体を見ることが大切です。
ここまで考えて初めて、摂ったタンパク質を身体づくりに活かしやすくなります。
食べることもトレーニングです。
身体づくりも競技力向上も、トレーニングだけでは完成しません。
毎日の食事も含めて、自分の身体をつくっていきましょう。
Acegym Athleteの体験トレーニングでは、身体づくりに合わせた食事の考え方についてもご相談いただけます。
「自分の場合はどれくらい摂ればいいのか?」
「今の食事で足りているのか?」
そんな方は、体験トレーニングの中でもお気軽にご相談ください。
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