「もっと強い打球を打ちたい!」
「スイングスピードを上げたい!」
そう考えたとき、腕で速く振ろうとしていませんか?
もちろん、バットを持っているのは手です。
でも、速いスイングを生み出すスタート地点は腕ではありません。
まずは脚!
バッティングでは、足で地面を押して力を生み出し、その力を下半身、骨盤、体幹、腕へつなぎ、最後にバットへ伝えます。
実際に大学野球選手を調べた研究でも、両脚が地面に加えた力が身体の回転を生み出し、股関節や踏み出し脚の膝がバッティングに大きく関わることが示されています。
だから、スイングスピードを上げたい選手にまず伝えたいのは、
「速く振る練習だけでなく、地面に大きな力を出せる身体をつくろう!」
ということです。
バッティングは、腕から始まる動きではない
バッティングの流れを簡単にすると、
ステップ
↓
足が地面につく
↓
下半身で地面へ力を加える
↓
骨盤が回る
↓
体幹が回る
↓
腕・バットが加速する
という流れになります。
つまり、一番最後に速く動いてほしいのがバットです。
最初から腕だけを思い切り振ってしまうのではなく、身体の中心から順番に力を伝えていきます。
その一番最初にあるのが、地面と接している脚です。
スイングスピードを上げるなら、まず下半身を強くする
人間は空中では大きな力を生み出せません。
地面を押すことで、地面から反対方向へ力を受けます。
これが地面反力です。
バッティングでも、両脚で地面へ力を加えることが身体の回転につながります。
特に股関節や踏み出し脚の膝が生み出す力は、身体全体を回転させるうえで重要です。
ここで大切なのは、そもそも地面を強く押せるだけの筋力があるかということです。
「もっと横方向へ力を出そう!」
「踏み込む方向を変えよう!」
「地面反力をうまく使おう!」
こうした話も大切です。
でも、そもそもの筋力が弱ければ、大きな力は生まれません。
だから順番としては、まず強くなる。
そのあとに、力を出す方向やタイミングを考える。
この考え方を大切にしています。
足が速ければ、スイングも速くなる?
ここは少し注意したいところです。
下半身が重要だからといって、足が速い=必ずスイングも速いではありません。
走るときと、バッティングでは力の使い方が違います。
バッティングでは、
- 地面を強く押す
- ステップで移動する
- 踏み出し脚で身体を受け止める
- その力を回転につなげる
といった能力が必要です。
特に、強く踏み込んでも身体がそのまま前へ流れてしまえば、回転へつなげにくくなります。
力を出す脚と、力を受け止める脚。
両方が必要です。
まず取り組みたい下半身トレーニング
特別な野球専用トレーニングから始める必要はありません。
まずは、
- スクワット
- デッドリフト
- スプリットスクワット
- ランジ
- 片脚での筋力トレーニング
などで、基礎的な下半身の筋力を高めます。
「野球だから特殊なトレーニングをしないといけない。」
と考えなくて大丈夫です。
基礎的な筋力が足りないのであれば、まずそこを強くする。
そのうえで、
強い力を出す
↓
片脚で受け止める
↓
素早く力を出す
↓
バッティングにつなげる
というように発展させていきます。
でも、脚を鍛えるだけではスイングは速くならない
ここまで、まず脚を鍛えるとお伝えしました。
ただし、スクワットを強くすれば、それだけでスイングスピードが上がるわけではありません。
下半身で作った力をバットまで届けることが必要だからです。
そこで重要になるのが、キネティックチェーン(運動連鎖)です。
難しそうな言葉ですが、意味はシンプルです。
身体の各部分が順番に動いて、次の部分へ力を渡していくこと。
バッティングなら、
地面
↓
脚
↓
骨盤
↓
体幹・胸郭
↓
肩・腕
↓
手
↓
バット
というイメージです。
地面から作った力を、リレーのバトンのように最後のバットまで渡していきます。
バッティング研究でも、下半身から生まれた地面反力を骨盤の回転、体幹、上肢へつなげることが、速いバットスピードを生み出す重要な要素として考えられています。
全身を一気に回せばいいわけではない
ここも大事です。
速く振ろうとして、脚も腰も肩も腕も全部一緒に回すのではありません。
まず骨盤が動き、その動きが体幹へ伝わり、さらに腕、バットへ伝わっていきます。
ムチを想像すると分かりやすいと思います。
持ち手から順番に動きが伝わることで、最後の先端が最も速く動きます。
バッティングも同じです。
だから、筋力だけでなく、
- 骨盤を動かせる
- 胸郭を動かせる
- 骨盤と胸郭を別々に動かせる
- 適切なタイミングで回れる
- 力を受け止められる
といった能力も必要になります。
捻転差もスイングを考えるうえで大切
バッティングでは、骨盤と胸郭がまったく同時に回るわけではありません。
骨盤が先に動き、胸郭が少し遅れて動くことで、身体にねじれが生まれます。
これが、よく言われる捻転差です。
成長期の野球選手を調べた研究でも、年齢とともに骨盤や上半身の回旋・分離動作が変化することが報告されています。
ただし、無理やり捻れば良いという話ではありません。
股関節や胸郭が動かないのに、無理やり身体をひねっても意味がありません。
というかケガします。
まず必要な動きを確保し、そのうえで下半身から上半身へ力を伝えるタイミングを身につけます。
スイングスピードを上げる順番
いろいろ説明しましたが、学生選手にはこれだけ覚えてほしいです。
① まず強くなる
下半身を中心に、地面へ大きな力を出せる筋力をつける。
② 力を受け止められるようになる
踏み出し脚で身体を支え、前へ流れすぎない身体をつくる。
③ 身体を動かせるようにする
股関節、骨盤、胸郭など、バッティングに必要な部分を動かせるようにする。
④ 力をつなげる
下半身で作った力を、体幹、腕、バットへ伝えられるようにする。
⑤ 最後に速く振る
ここまでできて、鍛えた身体をバッティングへつなげていきます。
つまり、
筋力
↓
動ける身体
↓
全身の連動
↓
スイング
です。
SNSで見たスイングスピードアップトレーニングの前に
今はSNSを開けば、
「これをすればスイングスピードが上がる!」
というトレーニングがたくさん出てきます。
もちろん、良いトレーニングもたくさんあります。
でも、その選手に必要なのが、
下半身の筋力なのか?
胸郭の動きなのか?
片脚で受け止める能力なのか?
全身の連動なのか?
それによって行うべきことは変わります。
トップ選手がやっている種目を真似する前に、まず自分に何が足りないのかを知る。
ここから始めましょう。
Athlete Note
今回覚えてほしいこと
- スイングは腕からではなく、地面から始まる
- まずは地面へ大きな力を出せる下半身をつくる
- 足の速さとバッティングに必要な脚力は同じではない
- 踏み出し脚には、力を受け止める役割もある
- 下半身で作った力は、骨盤→体幹→腕→バットへ伝わる
- 全身を一気に回すのではなく、順番に動く
- 捻転差だけを大きくすればいいわけではない
- 特殊なトレーニングより、まず基礎的な筋力をつける
まとめ
スイングスピードを上げたい。
もっと強い打球を打ちたい。
そう思ったとき、腕を速く振ることだけを考えないでください。
バッティングのスタートは脚です。
地面を押して大きな力を生み出す。
踏み出し脚でその力を受け止める。
骨盤、体幹、腕へ順番につなぐ。
最後にバットを加速させる。
だからまずは、しっかり脚を鍛えること。
そして、その力をバッティングで使える身体へつなげていきましょう。
Acegymから
福岡県久留米市のAcegymでは、野球選手だからこのメニュー」という指導は行っていません。
同じスイングスピードを上げたい選手でも、
筋力が足りない選手。
股関節や胸郭が動きにくい選手。
踏み出し脚で身体を支えられない選手。
力はあるけれど、バッティングへうまくつなげられていない選手。
課題はそれぞれ違います。
まず身体を確認し、ピラティスで必要な動きを整え、筋力トレーニングで強くし、それを競技につなげていきます。
「もっとスイングスピードを上げたい!」
「身体を鍛えているけれど、バッティングにつながっている感じがしない!」
「自分には何が足りないのか知りたい!」
そんな選手や保護者の方は、ぜひAcegymへご相談ください。
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