試合前やトレーニング前に、コーヒーやエナジードリンクを飲む選手は多いのではないでしょうか。
実際、カフェインはスポーツ栄養学の分野でも研究が多く、正しく活用することで競技パフォーマンスの向上が期待できる成分です。
しかし、
「眠いからとりあえず飲む。」
「毎日何本も飲んでいる。」
そんな使い方では、本来の効果を十分に引き出せないかもしれません。
今回は、カフェインのメリットだけでなく、注意点や効果的な使い方について解説します。
カフェインはエビデンスの豊富なサプリメント
カフェインはISSN(国際スポーツ栄養学会)のポジションスタンドでも、競技パフォーマンス向上に有効なサプリメントとして紹介されています。
期待できる主な効果は、
- 集中力・注意力の向上
- 疲労感の軽減
- 筋力・筋持久力の向上
- 持久力パフォーマンスの向上
- 脂肪利用の促進
などです。
特に筋力トレーニングや持久系競技では、多くの研究でパフォーマンス向上が報告されています。
効果を最大限に引き出す摂り方
競技パフォーマンスを目的とする場合、
一般的には
体重1kgあたり3〜6mg
を運動の約60分前に摂取することが推奨されています。
例えば体重70kgなら、210〜420mg程度が目安になります。
ただし、多く摂れば良いというわけではありません。
まずは少ない量から試し、自分に合った量を見つけることが大切です。
| 飲み物・食品 | 目安量 | カフェイン量(約) |
|---|---|---|
| 玉露 | 100ml | 160mg |
| エナジードリンク | 250ml(1本) | 80〜150mg |
| ドリップコーヒー | 150ml(1杯) | 90mg |
| インスタントコーヒー | 150ml(1杯) | 60〜80mg |
| レギュラーコーヒー | 100ml | 60mg |
| 紅茶 | 100ml | 30mg |
| 煎茶 | 100ml | 20mg |
| ほうじ茶 | 100ml | 20mg |
| ウーロン茶 | 100ml | 20mg |
| コーラ | 350ml(1缶) | 約35mg |
| ミルクチョコレート | 50g | 約15mg |
| デカフェコーヒー | 150ml | 2〜5mg |
※飲料やメーカーによって含有量は異なります。エナジードリンクやプレワークアウト製品は商品ごとの差が大きいため、必ず表示を確認しましょう。
意外なのは「玉露」です。
お茶だから安心と思われがちですが、実は100mlあたりのカフェイン量はコーヒーより多くなります。
また、エナジードリンクやプレワークアウトサプリにも多くのカフェインが含まれているため、コーヒーと併用すると知らないうちに摂取量が増えていることも少なくありません。
競技パフォーマンスを高めるためには、「たくさん摂る」のではなく、自分がどれくらい摂取しているのか把握することが大切です。
| 体重 | 推奨摂取量(3mg/kg) | コーヒー換算(約60mg/100ml) |
|---|---|---|
| 50kg | 約150mg | 約250ml |
| 60kg | 約180mg | 約300ml |
| 70kg | 約210mg | 約350ml |
| 80kg | 約240mg | 約400ml |
| 90kg | 約270mg | 約450ml |
カフェインは飲み続けると効きにくくなる
「昔はコーヒー1杯でシャキッとしたのに、今は何杯飲んでも変わらない。」
そんな経験はありませんか?
これはカフェイン耐性が関係している可能性があります。
毎日同じ量を摂り続けると、身体がカフェインに慣れてしまい、効果を感じにくくなることがあります。
その結果、効かないから量を増やす⇒さらに耐性がつく。
という悪循環に陥ることもあります。
毎日何となく飲むのではなく、本当に必要な場面で活用するという考え方がおすすめです。
カフェインの摂り過ぎで注意したいこと
カフェインは便利な成分ですが、使い方を間違えるとデメリットもあります。
① 空腹時は胃への負担になることがある
カフェインには胃酸の分泌を促す作用があります。
そのため、朝起きてすぐや長時間食事をしていない状態で大量に摂取すると、胃の不快感や胸やけにつながることがあります。
特に胃腸が弱い方は注意が必要です。
② ストレス反応との関係
カフェインを摂取すると、体内ではコルチゾールやアドレナリンなど、ストレス反応に関わるホルモンが分泌されます。
適量であれば、集中力やパフォーマンス向上につながる一方で、過剰な摂取や慢性的な摂取を続けると、身体への負担が大きくなる可能性があります。
副腎疲労という考え方についてはさまざまな意見がありますが、少なくとも睡眠不足や慢性的なストレス、過剰なカフェイン摂取が続く生活は、疲労感や回復力の低下につながる可能性があることは意識したいポイントです。
また、コルチゾールが長期間高い状態が続くことは、筋肉量や体脂肪、コンディションにも影響を及ぼす可能性があるため、競技パフォーマンスを考えるうえでも注意が必要です。
カフェインは元気を作るものではなく、本来の力を引き出すための補助として活用することが大切です。
③ 睡眠の質を下げる可能性がある
カフェインの覚醒作用は数時間(約9時間)続きます。
個人差はありますが、夕方以降に摂取すると、寝つきが悪くなったり、睡眠の質が低下したりすることがあります。
睡眠は、
- 回復
- 筋肉の修復
- 集中力
- 判断力
すべてに関わります。
どれだけ良いトレーニングをしても、睡眠の質が下がれば翌日のパフォーマンスは落ちてしまいます。
寝る時間から逆算して、9時間前にはカフェイン摂取をやめましょう。
Athlete Note
今回のポイント
✅ カフェインはエビデンスの豊富なサプリメント
✅ パフォーマンス目的なら運動約60分前に体重1kgあたり3〜6mgが目安
✅ 飲み過ぎても効果は高くならない
✅ 毎日大量に飲み続けると耐性がつきやすい
✅ 睡眠はカフェイン以上に重要なリカバリー戦略
まとめ
カフェインは、使い方次第で競技パフォーマンスを高める強い味方になります。
しかし、飲む量やタイミングを間違えると、睡眠やコンディションに悪影響を及ぼすこともあります。
大切なのは、眠いから飲むのではなく、目的を持って使うこと。
トレーニングや試合で最高のパフォーマンスを発揮するための一つの選択肢として、カフェインを上手に活用してみてください。
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