筋トレから始めるな。急がば回れが最強の戦略だ。
「よし、今年の夏までに体を変えよう!」
そう決心したとき、多くの男性がまず思い浮かべるのは、重いダンベルを持ち上げたり、必死にランニングマシンを走ったりする姿ではないでしょうか。
その行動力ややる気は素晴らしいです。
しかし、パーソナルトレーナーとして、私はあえて皆さんの出鼻をくじくようなことを言います。
「いきなり筋トレを始めるのは、やめてください!」
もしあなたが最短で体を変えたいなら、最初にやるべきはベンチプレスではありません。
ピラティスです。
「ピラティス? あの女性がやってるやつでしょ?」
そう思ったあなたこそ、この記事を最後まで読んでみてください。
なぜなら、ピラティスこそが、私たちアラフォー男性が、”怪我なく・最短で・確実に結果を出すための、最初に取り組むべき必須科目”だからです。
今回は、なぜ筋トレの前にピラティスが必要なのか、そのメリットを解説します。
1. 戦略は現状把握から
まず、残酷ですが認めなければならない事実があります。
私たちの体は、20代の頃とは完全に別物になっています。
長年メンテナンスせずに走り続けた車と同じで、見た目は変わらなくても、中身(関節や腱)は確実に経年劣化しています。
可動域の低下(リスク大): デスクワークで固まった体に、いきなり高負荷をかけるのは、錆びたチェーンで全力疾走するようなもの。壊れる可能性が高い。
姿勢の初期設定ミス: 長時間のスマホやPC作業により、猫背や反り腰が標準装備になってしまっています。この歪んだ骨組みのまま動けば、必ずどこかに痛みが出ます。
回復コストの増大: 20代なら多少の痛みも気になりませんでしたが、今は違います。体を痛めて翌日の仕事のパフォーマンスを落とすことは、ビジネスマンとして損失です。
つまり、アラフォーのボディメイクにおいて最優先すべきは、どれだけ重いものを持てるかではなく、いかに不調を少なくした状態でトレーニングするかです。
壊れた状態でアクセルを踏むのではなく、まずは整備(チューニング)をする。
そのためのツールが、ピラティスなのです。
2. ピラティスのメリットは整えることにある
なぜピラティスが筋トレの効率を上げるのか?
その理由は、筋肉の抑制(緩める)と活性(呼び起こす)にあります。
多くのアラフォー男性の体では、特定の筋肉が頑張りすぎて、本来働くべき筋肉がサボっている状態にあります。
広背筋の「過剰使用」が体を壊す?
例えば、背中の大きな筋肉である広背筋。ここが過剰に緊張してタイト(硬い)になっていると、骨盤を前方に引っ張って腰を反らせたり、肩を内側に巻き込んだりしてしまいます。 これが反り腰や巻き肩・猫背の正体です。この崩れた姿勢のままベンチプレスやスクワットをしても、狙った場所に負荷が乗らないばかりか、腰痛や肩の痛みを引き起こすだけです。
サボっている「インナーマッスル」を目覚めさせる
一方で、お腹の奥にある腹横筋や背骨を支える多裂筋といったインナーマッスルは、多くの現代人において眠ってしまっています。
ピラティスに取り組むことで
頑張りすぎている筋肉(広背筋など)を緩め(抑制)
眠っている筋肉(インナーマッスル)を活性化させる。
この交通整理を行うことで初めて、体は正しい姿勢を取り戻します。
正しい姿勢で筋トレを行えば、狙った筋肉に負荷を乗せることができ、結果として最短で体が変わるのです。
3. 時間がないは言い訳にならない。ピラティスこそ時短になる
ピラティスには、忙しいビジネスマンにとって最大の武器があります。
それは、抑制(ストレッチ)と活性(インナーマッスルのスイッチ)を同時に行えるという圧倒的な生産性です。
一つの動きの中で、硬い部分を伸ばしながら、同時に弱い部分を鍛える。
このマルチタスクな性質こそが、ピラティスの真骨頂です。
ただし、ここで一つ正直な事実をお伝えしておきます。
ピラティスだけで、筋肉を大きくする(筋肥大させる)ことは難しいです。
なぜなら、ピラティスには筋肉を増やすほどの物理的な高負荷がないからです。
マッチョになりたいなら、やはり重いダンベルやバーベルを持つ必要があります。
しかし、だからこそ私は言いたいのです。
効かないフォームで1年ガムシャラにウエイトを続けるより、ピラティスで効かせやすい体に整えてからウエイトをする方が、遥かに早く体はデカくなります。
この2つを組み合わせることこそが、最短で結果を出すための「大人の時短戦略」なのです。
4. ピラティスマシンを使え
もし可能であれば、マットの上で自力で頑張るのではなく、ピラティスマシン(リフォーマーやチェアなど)を使うことを強く推奨します。
なぜなら、自分の体の動きを正しく制御するのは、運動から遠ざかっていたアラフォー男性には至難の業だからです。
自力でなんとかするのは、ハッキリ言って効率が悪すぎます。
そこで、ピラティスマシンの力を借りるのです。
マシンに備わったバネやストラップを使うことで、
ガイド機能: 動きの軌道をサポートしてくれるため、間違ったフォームで動くことを防いでくれます。
正解の可視化: バネのサポートや抵抗があることで、「あ、今ここを使っているな!」というフィードバックが瞬時に体に伝わります。どこの筋肉を使えばいいかを体で理解できるのです。
運動神経やセンスは関係ありません。
マシンを使えば、正しい動きを再現しやすい。
これこそが、大人が選ぶべき賢いショートカットです。
5. まとめ:ピラティスは女性の趣味ではない。男性にこそおすすめしたい
ピラティスと聞くと、まだ女性がおしゃれにやるものというイメージがあるかもしれません。
しかし歴史を紐解けば、もともとピラティスは負傷した兵士のリハビリとして開発された、非常に論理的なトレーニングです。
今、世界中のトップアスリートや経営者がこぞって取り入れているのは、流行りだからではありません。
それが、自分の体を100%使いこなすための最強のチューニングだと知っているからです。
もう若くないから…と諦める前に。
がむしゃらに鍛えて怪我をする前に。
まずはピラティスで、あなたの体を戦える状態に整えませんか?
私自身も4月からの肉体改造において、まず最初に取り組むのは、このピラティスによる土台作りです。
最短距離で、最高の結果を。
さあ、賢く、戦略的に、人生最高の体を作っていきましょう。
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